【2026年最新】飛行機のモバイルバッテリー規制まとめ|100Wh・160Wh上限と国際線ルール完全解説

国土交通省の安全基準改正を受けて、JAL・ANAをはじめ各社は2026年4月24日搭乗分からモバイルバッテリーの扱いを変更しています(JAL公式のお知らせ・ANA公式のお知らせ)。
❶ 持ち込みは1人2個まで(160Wh以下に限る)
❷ 機内でモバイルバッテリー本体への充電は禁止
❸ 座席上の収納棚に入れない——座席ポケットなど手元で保管
❹ 機内でのスマホ等への給電も控えるよう案内されています
さらに2027年1月以降、国際航空運送協会(IATA)の規定変更により、上限が100Whへ引き下げられる可能性があります。一般的なモバイルバッテリー(10,000mAh≒37Wh・20,000mAh≒74Wh)はほぼ影響しませんが、160Wh級の大容量モデルやポータブル電源クラスは要注意。これから買うなら100Wh以下を選んでおくのが安全です(公式発表があり次第、本記事に追記します)。
※各社公式情報は2026年8月4日時点/告示原文は2026年8月22日に照合
2026年4月24日施行の告示を原文で読む|預け入れ・個数・機内充電・国際線ルールまで完全整理
この記事でわかること
- 告示で実際に何が決まったのか
- 預け入れ・持ち込みはどう変わったのか
- 100Whとは何か
- 何個まで持ち込めるのか(”制限なし”の誤解)
- 国際線はどうなるのか
- 安全基準で選ぶなら何mAhが現実的か
結論から言います。
スマホやノートPCの機内使用が禁止されたわけではありません。
変わったのは外付けのモバイルバッテリーの扱いです。2026年4月24日適用の告示で、預け入れ不可・1人2個・機内での充電禁止が条文として確定しました。
ここから冷静に整理していきます。
1|モバイルバッテリーの機内規制が強化される背景
背景にあるのは、リチウムイオン電池の発煙・発火事案です。
航空機は特殊環境です。
- 低気圧
- 密閉空間
- 迅速な避難が困難
- 消火資源が限定的
地上とはリスクの質が違います。
リチウムイオン電池は便利で高効率ですが、
- 衝撃
- 内部短絡
- 品質不良
- 過充電
などにより「熱暴走」を起こす可能性があります。
そのため航空機では厳格な危険物規制が存在します。
2|国際基準はどうなっているのか
危険物輸送の国際基準を定めているのが
国際民間航空機関(ICAO)です。
ICAOの技術指針では、リチウムイオン電池について次の基準が示されています。
■ 100Wh以下
原則、機内持ち込み可能
■ 100Wh〜160Wh
航空会社承認が必要
■ 160Wh超
旅客機持ち込み不可
さらに重要なのは、
預け入れ荷物(受託手荷物)への収納は禁止
という点です。
今回の報道は、この国際基準を大きく変更するものではなく、
「機内での使用」に焦点を当てた運用強化と理解できます。
3|2026年4月24日に施行された告示|確定した4つのこと
ここからは報道の話ではありません。実際に施行された法令の中身です。根拠は国土交通省の「航空機による爆発物等の輸送基準等を定める告示」(令和8年4月24日適用)の別表第18「搭乗者が身に付け、携帯し、又は携行する物件」。原文は国交省のサイトで誰でも読めます。
この改正でいちばん大きかったのは、「パワーバンク」という品目が独立して新設されたことです。告示はこう定義しています——「他の電子機器に電力を供給する目的のものであってリチウム電池を内蔵したもの」。つまり、私たちが普段モバイルバッテリーと呼んでいるものが、条文上ではじめて名前を持ちました。
■ 告示の表をそのまま並べるとこうなる
| 品目 | 預入手荷物 | 持込み手荷物 | 1人あたりの個数 |
|---|---|---|---|
| パワーバンク(=モバイルバッテリー) | × | ○ | 2個 |
| 予備のリチウム電池 | × | ○ | 2個(100Wh以下は算入しない) |
| リチウム電池を内蔵した携帯型電子機器 | ○ | ○ | 制限なし(160Wh以下) |
■ 確定事項1|預け入れは「不可」と条文に書かれた
パワーバンクも予備電池も、預入手荷物の欄は×です。スーツケースに入れてカウンターに預ける——これは条文上できません。以前から各社が案内していた内容ですが、告示の表に×として明記されたのが今回です。
■ 確定事項2|「機内で充電しないこと」が法令になった
告示の備考に、こう書かれています。「パワーバンクを航空機内において充電しないこと」。座席のUSBポートやコンセントにモバイルバッテリーをつないで充電する行為が、明確に禁じられました。マナーの話ではなく、条文の話です。
■ 確定事項3|1個ずつ絶縁して持ち込む
「予備のリチウム電池及びパワーバンクは、ショートしないように個々に保護されていること」。裸のままポーチに放り込んで金属と一緒に転がす、が引っかかります。端子にキャップ、または1個ずつ袋やケースへ。元箱や購入時のポーチが残っているなら、それがいちばん確実です。
■ 確定事項4|個数は「2個」
パワーバンクの個数欄は、容量の条件なしで「2個」。ここが従来の理解と食い違うポイントなので、次の5章で分けて説明します。
なお、対象はあくまで外付けのバッテリーです。スマホやノートPCなど機器そのものの使用が禁止されたわけではありません。機器に内蔵された電池は別の行(160Wh以下・預け入れも可)で扱われています。
出典:国土交通省「航空機への危険物の持込みについて」内の別表第18(令和8年4月24日適用)。PDF原文はこちら。本記事は2026年8月22日にこの告示原文を直接照合して書き直しています。
4|WhとmAhの違い|機内持ち込みの容量計算方法
航空規制はmAhではなくWhで判断されます。
お手持ちのモバイルバッテリー本体またはパッケージに記載されているWh表示をご確認ください。
■ 計算式
Wh = (mAh ÷ 1000) × 電圧(通常3.7V)
計算式が難しい方向けに、代表的な容量のWh換算を下記にまとめました。
■ 代表例
| 容量 | Wh換算 |
|---|---|
| 5,000mAh | 約18Wh |
| 10,000mAh | 約37Wh |
| 20,000mAh | 約74Wh |
| 30,000mAh | 約111Wh |
100Whを超えると扱いが変わります。
そのため30,000mAhクラスは注意が必要です。
5|個数は「2個」で確定|ただし”予備電池”は別枠という罠
ここが、いちばん誤解されている場所です。ネット上には「100Wh以下なら個数制限はない」という説明が今も大量に残っています。告示を読むと、それは半分だけ正しいと分かります。
■ パワーバンクは、容量に関係なく2個
告示のパワーバンクの行は、個数欄が「2個」とだけ書かれています。「100Wh以下は除く」という但し書きは、この行にはありません。10,000mAh(約37Wh)の小さなものでも、数のうちに入るという読み方になります。
■ 「算入しない」は予備電池の行に書いてある
一方、その上の「予備のリチウム電池」の行にはこうあります——2個。ただし「ワット時定格量が100Wh以下の予備のリチウムイオン電池は個数には算入しない」。さらに「100Whを超えて160Wh以下のパワーバンクと併せて持ち込む場合は、当該パワーバンクと合算して2個まで」。
つまり「個数制限なし」が効くのは、カメラやゲーム機の交換用バッテリーのような”予備の電池”のほう。他の機器に給電する目的のモバイルバッテリーは、パワーバンクの行で数えられます。同じ「リチウムイオン電池」でも、用途で行が変わる——ここを混ぜると判断を間違えます。
■ 実務的な落としどころ
迷ったら「モバイルバッテリーは2個まで」で行動するのがいちばん安全です。3個目を鞄に入れる理由は、たいていの旅にありません。私は帰省でも出張でも、大きいの1個+小さいの1個で足りています。数を増やすより、1個あたりの容量と充電速度を上げるほうが荷物は軽くなるというのが、実際に何度も詰め替えて出した結論です。
そして30,000mAh(約111Wh)クラスは100Whを超えます。この帯は航空会社の承認が必要になる領域で、扱いが一段面倒になる。飛行機に乗る前提で買うなら、20,000mAh(約74Wh)までに収めておくと悩みが消えます。
6|「告示が決めたこと」と「各社の運用」は分けて覚える
混乱の原因は、性質の違う2種類のルールが同じ顔で語られていることです。分けます。
| 内容 | どこが決めたか |
|---|---|
| 預け入れ不可/持込みのみ | 告示(法令) |
| パワーバンクは2個まで | 告示(法令) |
| 機内で本体を充電しない | 告示(法令) |
| 1個ずつショート防止措置 | 告示(法令) |
| 頭上の収納棚に入れず手元で保管 | 各航空会社の運用案内 |
| 機内での給電使用を控える | 各航空会社の運用案内 |
下2つは告示の条文には出てきません。各社が安全対策として独自に案内しているものです。だから会社によって表現も強さも違いますし、今後変わる可能性もあります。搭乗する会社の公式ページを、出発前に一度見てください——これが結局いちばん確実です。
■ 2027年の「100Wh引き下げ」は、予告であって確定ではありません
「2027年1月から上限が100Whへ引き下げられる」という話が出回っています。出どころは航空会社の告知で、JALの案内にはIATA(国際航空運送協会)の規定変更により2027年1月以降は100Whに制限される可能性がある旨が記載されています。
ただし正直に書いておくと、私はIATA自身の正式文書までは確認できていません。航空会社の告知は一次に近い情報ですが、規定そのものを定めるのはIATAであり、日本国内の運用を決めるのは国土交通省の告示です。本記事では「予告されているが、まだ確定ではない」という扱いにします。憶測で不安をあおるより、どこまで確認できたかを書くほうが役に立つと考えています。
実務的な備えは単純です。100Whは3.7V換算で約27,000mAh。一般的な5,000〜20,000mAh(約18〜74Wh)はこの引き下げが実現しても影響を受けません。これから買うなら100Wh以下、つまり20,000mAh級までに収めておけば、この先の変更に振り回されずに済みます。
IATAの正式文書、または国土交通省の告示改正を確認でき次第、この節を書き換えて更新日を明記します。
なお、条文の解説ではなく「結局どうすればいいか」の早見表が欲しい方は、モバイルバッテリーの飛行機新ルール|1人2個まで・機内充電NG・預け入れ禁止を総まとめのほうが実務向きです。この記事は法令に何と書いてあるか、あちらは搭乗前に何をすればいいか——役割を分けています。
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