旅行の充電器を1個にまとめて3年2ヶ月。リング一体型で分かった「使わないほうがいい機能」

旅行カバンの中で、いちばん場所を取るのは充電器です。
iPhoneの充電器、Apple Watchの充電器、AirPodsのケーブル。3泊もすると、それぞれのケーブルが絡んで、ポーチの底で団子になっている。Anker歴10年・CIO歴4年で充電器はさんざん買ってきましたが、旅行だけは「数を減らす」ことが正義です。
それで2023年7月に買ったのが、1台でiPhone・Apple Watch・AirPodsを充電できる3in1のワイヤレス充電器でした。手のひらに乗る円盤で、背面にリングが付いていてスタンドにもなる、というやつです。
あれから3年2ヶ月。いまも旅行のときはこれを持っていきます。ただ、ずっと使っていない機能が1つだけあります。そして、それを使わなかったから3年もったのだと思っています。
3年2ヶ月、旅行に連れて行っている実機

RORRYというブランドの3in1ワイヤレス充電器です。重さ46g、直径6cm。正面でiPhoneとAirPods、背面でApple Watchを充電します。付属のUSB-Cケーブルは取り外せるので、ケーブルだけ別に収納できる。
商品ページに書いていない数字が、本体に刻まれていた
今回あらためて背面を撮って気づいたのですが、販売ページには「15W」としか書かれていない出力が、本体ラベルには2系統に分けて刻印されていました。
| ラベル表記 | 意味 |
|---|---|
| Input: 5V-12V ⎓ 2A (Max) | USB-Cから最大12V/2Aを受け取る |
| Output 1: 15W (Max) | マグネット面(iPhone側) |
| Output 2: 3W (Max) | 背面(Apple Watch側) |
Apple Watch側は3W。これは検索しても出てきません。買う前に知りたかった数字でしたが、3年使ってから自分の手元のラベルで知りました。
ついでに言うと、この製品はQi2という規格ができる前の世代です。メーカーの説明は「iPhone 13 Pro Maxを約3時間でフル充電(20W以上のACアダプタが必要)」。急速充電を名乗る速さではありません。寝ている間に充電が終わっていればいい、という道具です。
① 旅行でいちばん効いたのは、Apple Watchだった
3年使って、この充電器の価値がどこにあったかははっきりしています。Apple Watchの充電器を旅行に持っていかなくてよくなったことです。
Apple Watchの充電ケーブルは、あの丸い専用ディスクが付いた1本しかありません。忘れると代わりがない。コンビニでも売っていない。「充電器を1個減らす」ではなく「絶対に忘れられない1本を持たなくていい」——これが出先でいちばん効きました。
3Wという数字は決して速くありませんが、Apple Watchは寝ている間に充電するもの。旅先のホテルで、机の上に円盤を1枚置くだけで済むのは、想像以上に身軽です。
② 磁力は「ケース次第」だった
この製品のレビューで最も多い不満が「磁力が弱い」です。500件以上のレビューで、発熱と並ぶ二大テーマになっています。
私の実感は、少しだけ違います。
理由は単純で、MagSafe対応ケースには、ケース自体に磁石のリングが入っているからです。iPhone本体の磁石+ケースの磁石で受けるほうが、当然しっかり吸い付く。私はマグネット強化をうたうケースを使っているので、そのぶん体感が変わっているはずです。
だから「磁力が弱い」というレビューを見て諦める前に、いま使っているケースがMagSafe対応かどうかを確認してください。裸で使っている人と、磁石入りケースの人とでは、同じ充電器でも評価が割れます。
ケース側の磁石がどれくらい効くかは、こちらでも書きました。
▶ AirPods Proをベルト通しに11ヶ月ぶら下げてわかった、ロック付きケースの本当の価値
③ メーカーが自分で認めている弱点があります
ここがこの記事でいちばん書きたかったところです。
この充電器の商品ページには、メーカー自身の注意書きとして「リング部分は使用しているうちに緩む可能性がある。改良に力を尽くしたが、完全には解決できていない」という趣旨の一文が載っています。売る側が自分で弱点を明記しているわけです。
で、私の3年2ヶ月はどうだったか。
スマホリングとしても、スタンドとしても回していない。純粋に充電の円盤としてしか使っていない。だから可動部が摩耗する機会がなかった、というだけの話です。
「3年使っても緩まなかった」と書けば気持ちのいいレビューになりますが、それは嘘になります。私が言えるのは「リングを使わなければ3年もつ」までです。
逆に言えば、ここから引き出せる教訓はけっこう実用的です。
- 可動部が多い製品は、可動部を使わない使い方をすると寿命が伸びる
- リングやスタンドを「毎日回す」つもりなら、そこが最初に壊れる前提で選ぶ
- 逆に「充電できればいい」なら、リング付きを買っても長持ちする
私はリングを使わない側の人間でした。自分がどちら側かを先に決めてから買うと、失敗が減ります。
正直に言うと、この製品はもう買えません
ここまで書いておいてなんですが、私が使っているこのRORRYの3in1は、2026年9月時点で在庫切れ・再入荷予定なしです。
3年前の製品なので当然といえば当然です。ですので、この記事の使いどころは「これを買ってください」ではなく、「3年使って分かった、リング一体型3in1の選び方」のほうにあります。
いま同じ用途で買うなら、どれか
「iPhone+Apple Watch+AirPodsを1台で、旅行に持っていける小ささで」という条件で、いま現行の選択肢を並べます。いずれも私は未所有なので、公表スペックでの比較です。
| 私の実機(RORRY 3in1) | CIO NovaWave 3Way+ | CIO NovaWave 3Way | |
|---|---|---|---|
| iPhone | ラベル15W(Qi2以前) | 最大15W/Qi2認証 | 最大15W(iPhoneは7.5W) |
| Apple Watch | ラベル3W | 最大5W | 最大2.5W |
| スタンド | リング式 | 金属スタンド | 金属スタンド |
| 価格 | —(販売終了) | ¥4,980 | ¥4,380 |
表を作って自分でも驚いたのですが、600円差の「3Way」と「3Way+」で、iPhoneへの出力が7.5Wと15Wに分かれます。名前がほとんど同じなのに、倍違う。ここは絶対に見てから買うところです。
Apple Watch側も2.5Wと5Wで倍。私の実機の3Wより、+の5Wのほうが上です。3年前より確実に進歩しています。
速度より価格、という人はこちら(iPhone 7.5W/Apple Watch 2.5W)
CIO NovaWave 3Way ¥4,380
▶ 楽天市場の商品ページを見る
発熱が気になるなら、冷却ファン付きという道もあります
▶ Amazonで冷却ファン付きのマグネット充電器を探す / 楽天市場で3in1を探す
よくある質問(FAQ)
向いています。私は3年2ヶ月、旅行のたびに持ち出しています。最大の利点は充電器の数が減ることではなく、Apple Watchの専用ケーブルを持たなくてよくなることです。あの丸いディスク付きケーブルは忘れると代わりが手に入らないため、1台にまとまる価値が大きくなります。
受け側のケースに磁石が入っているかどうかで体感が大きく変わります。MagSafe対応ケースはケース自体に磁石のリングが入っているため、本体の磁石と合わせてしっかり吸着します。私の実感でも、ケースありなら実用的で、ケースなしだと少し弱く感じました。購入前にお使いのケースがMagSafe対応か確認してください。
メーカー自身が商品ページで「リング部分は使用しているうちに緩む可能性がある」と明記しています。私はリングをスタンドやスマホリングとして使っていないため、緩みについては確かめられていません。毎日リングを回す使い方をするなら、そこが先に消耗する前提で選ぶことをおすすめします。
3in1充電器のApple Watch側は出力が絞られていることが多いためです。私の実機は本体ラベルに「Output 2: 3W (Max)」と刻印されています。現行のCIO NovaWave 3Way+は最大5W、無印の3Wayは最大2.5Wと公表されており、製品によって倍の差があります。就寝中の充電なら実用上は足りますが、短時間で充電したい方は数値を確認してから選んでください。
iPhoneへの充電速度が変わります。Qi2認証を取っている製品はiPhoneに最大15Wを出せますが、認証のない製品では7.5W止まりになることがあります。CIO NovaWave 3Way+(Qi2認証・15W)と3Way(7.5W)は価格差600円で速度が倍違うため、製品名が似ていても仕様表を必ず確認してください。
3年2ヶ月使って、いま思うこと
この充電器は速くありません。磁力も強烈ではありません。Qi2でもない。スペックだけ並べたら、いま買う理由はどこにもない製品です。
それでも3年2ヶ月、旅行のたびにポーチに入っています。「Apple Watchの充電ケーブルを忘れたかもしれない」と空港で青くならなくて済む——それだけのために、46gの円盤が居場所を確保し続けている。
道具の価値は、スペックの数字と一致しないことがあります。
私にとってこの円盤の価値は、W数ではなく「持たなくていいものが1つ増えた」ことのほうにありました。