ハンディファンの冬越し保管。2台の取扱説明書を読んだら、しまい方が正反対に見えました

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ハンディファンを2台使っています。Makuakeで応援購入したCIO Handy Fanと、2022年6月に買ったFrancfrancのフレ(ミント)。今年の夏は、外でもずっとどちらかが手元にありました。

東京の平年値(1991〜2020年)で、平均気温は9月が23.3℃、10月が18.0℃(気象庁)。ひと月で5℃以上落ちます。そろそろ、しまう季節です。

それで、2台の取扱説明書を並べて読みました。しまい方の前提が、一見すると正反対に見えたのがこの記事のきっかけです。

ついでに言うと、ネットでよく見る「残量50〜70%で保管する」も探しました。公的な資料には見つかりませんでした。見つからなかったことも含めて書きます。

先に結論

  • 「使い切ってから」は捨てるときの手順。しまうときは逆で、空のまま放置しないようメーカーが案内しています
  • 冬の保管でいちばん名指しされているのは暖房器具の近く。CIOもFrancfrancも取扱説明書に書いています
  • 「残量50〜70%」「◯ヶ月に一度充電」「保管温度◯℃」は、公的な一次資料に見つかりませんでした
  • 掃除は製品ごとに正反対。アルコールが使えるものと、使ってはいけないものがあります
  • 膨らんでいたら、しまわない。そのまま保管するのも一般ごみに出すのもNGと明記されています
目次

まず切り分ける:「捨てるとき」と「しまうとき」は逆

ここが混ざると、まったく逆のことをしてしまいます。

電池工業会の捨て方ガイドには、捨てる前にやることとして「1.なるべく使い切って放電する/2.電池の金属端子部分をテープで覆う(絶縁する)」とあります(電池工業会)。これは廃棄の手順です。

一方、しまうときについて、Francfrancの公式ヘルプはこう書いています。「電池が空の状態で長期間放置すると、電池の寿命を縮めるため、保管中も定期的な充電を行って下さい」(Francfranc 公式ヘルプ)。

電池工業会も、長期間使わない場合については「機器の漏れ電流により過放電に至る可能性がありますので、機器から外して湿気の少ないところに保管するか、機器から取り外せない場合は完全に電源を切ってください」と案内しています(電池工業会)。避けたいのは過放電のほう、という書き方です。

つまり「使い切る」は捨てるときだけ。しまうときに空にする理由は、どの一次資料にも書かれていませんでした。

冬の保管で名指しされているのは「暖房器具の近く」

高温を避ける、というと夏の車内を思い浮かべます。でも取扱説明書が挙げているのは、それだけではありません。

CIO Handy Fanの取扱説明書にはこうあります。「直射日光の当たる場所、暖房器具の近くや車中など、高温になる場所での使用、放置、保管は避けてください」(CIO Handy Fan 取扱説明書)。

Francfrancの取扱説明書も、使用・保管してはいけない場所を箇条書きで並べていて、その1番目が「ストーブなどの暖房機器や火気の近く」です(Francfranc 取扱説明書)。

NITE(製品評価技術基盤機構)は「リチウムイオンバッテリーを使用している製品は外部からの熱に非常に弱いという性質を持っています」として、「真夏の車内や直射日光が当たりやすい窓際など高温になりやすい場所には放置しないようにしてください」「春や秋でも暑い日は要注意」と呼びかけています(NITE)。消防庁のポータルも「高温になる場所では使用・保管しない。」です(総務省消防庁)。

冬にしまう、ということは暖房を使う季節を一緒に越すということです。夏の車内を避けたのと同じ感覚で、暖房の風が当たる場所を避ける。それがこの季節の要点でした。

しまう前にやること根拠(原文の要旨)出典
電源を完全に切る「使用後は必ずスイッチを切ってください」/機器から外せない場合は完全に電源を切る電池工業会
外せるバッテリーは機器から外す「機器の漏れ電流により過放電に至る可能性があります」電池工業会
湿気の少ないところへ「湿気の少ないところに保管する」電池工業会
暖房器具・直射日光・車中を避ける「高温になる場所での使用、放置、保管は避けてください」CIO 取扱説明書
金属製品と一緒にしない「ネックレスやヘアピン、コイン、鍵などの金属製品と一緒に持ち運んだり保管しないでください」電池工業会
空のまま放置しない「電池が空の状態で長期間放置すると、電池の寿命を縮めるため、保管中も定期的な充電を行って下さい」Francfranc 公式ヘルプ
出典:電池工業会/CIO Handy Fan 取扱説明書/Francfranc 公式ヘルプ。2026年9月20日確認

私のCIO Handy Fanは、モバイルバッテリー部をファンから外せる構造です。取扱説明書にも「ファン脱着ボタンを押しながら、モバイルバッテリー部を取り外します」とあります。外せるタイプなら、電池工業会が書いている「機器から外して」がそのまま実行できます。

CIO Handy Fanのファン部とバッテリー部、丸い充電ベース、ストラップと専用USB-C変換コネクタ
CIO Handy Fanはバッテリー部が外せる構造。左が本体、右が充電ベースです。

よく見る「残量50〜70%で保管」は、公的な資料に見つからなかった

ここは、はっきり書いておきます。

保管時の残量%の目安、充電の間隔(何ヶ月に一度か)、推奨の保管温度・湿度の数値。この3つは、一次資料に当たりませんでした。

探したのは、電池工業会(baj.or.jp)、NITE(nite.go.jp)、経済産業省、環境省、消防庁(fdma.go.jp)。検索に出てくるのは民間のブログや、海外の電池メーカー、電動工具メーカーのFAQで、日本の公的機関・業界団体のページには数値がありませんでした。

公的な表現は、あくまで定性的です。「高温になる場所を避ける」「湿気の少ないところ」。数値を出さないのは、電池や機器によって条件が違うからだと読めます。

ただしメーカー側には、期間を書いている例がありました。CIOのよくある質問には「ご使用や自然放電による充電残量0%の状態のまま放置した場合、内蔵リチウムイオン電池の劣化による不具合や製品寿命を縮める要因になります。製品を長期間使用されない場合は、4~6ヶ月に一度は放電と充電を行ってください」とあります(CIO よくある質問)。公的機関の資料ではなくメーカーの案内ですが、手元がCIOなら、これがいちばん具体的な数字です。

だからこの記事では、数字を作りません。書けるのは「空のまま長期間放置しない(Francfranc)」と「過放電を避ける(電池工業会)」まで。満充電で置くべきか残量を減らすべきか、公的な結論はありませんでした。

ついでに、リチウムイオン電池搭載製品の事故は2021年から2025年の5年間で2,140件。「事故発生件数は春から夏にかけて気温の上昇とともに増加する傾向を示しており、8月にピークを迎えます」とのことです(NITE プレスリリース)。ピークは越えました。越えたからこそ、しまうときに一度だけ手をかける価値があります。

掃除は、2台で正反対でした

夏のあいだ回し続けたファンには、ほこりが付きます。拭いてからしまいたい——そう思って両方の説明を読んだら、ここも割れました。

CIOは、冷却プレートに限ってアルコールを認めている

CIOの公式解説ページには「冷却プレートは塗装したアルミプレートのため、アルコールスプレーや布で拭いていただけます」とあります(CIO公式)。

ただし、これは冷却プレートについての記述です。羽根やカバー、本体全体の掃除方法ではありません。取扱説明書のほうには「本製品は防水仕様ではありません」「ファン内部に指や異物を入れないでください」「分解及び改造は絶対に行わないでください」とあります。

Francfrancは、アルコールも水洗いも禁止している

Francfrancの取扱説明書は逆です。「お手入れをする場合は、ベンジンやシンナー、アルコールなどの揮発性有機溶剤が含まれているものは使用しないでください」。さらに「水につけたり、水を掛けたりしないでください。また水洗いは絶対にしないでください」。分解も「危険」表示で、廃棄時以外は禁止です。

どちらが正しい、という話ではありません。同じ「ハンディファン」でも、メーカーが認めている手入れは違う。しまう前の10分でいいので、自分の1台の取扱説明書を開くほうが早い、というのがここでの結論です。

膨らんでいたら、しまわない

これだけは、季節に関係なく先にやることです。

電池工業会は「電池の異臭、発熱、変色、変形、膨れ、その他今までと異なることに気づいた時は、ただちに使用を中止してください」と書いています。CIOの取扱説明書にも「本製品から異音、異臭、膨張、異常な発熱が確認された場合……直ちに使用を中止してください」とあります。

そして捨て方ガイドには、はっきりこう書かれています。「特に危険な状態です。無理に触らず、自治体の指示に従ってください。そのまま保管したり、一般ごみに出すのはやめましょう」(電池工業会)。しまう、が選択肢から外れます。

回収ルートにも制限があります。JBRCは回収対象の条件として「破損、水濡れや膨張等の異常のある電池や、外装なしのラミネートタイプの電池ではないこと」を挙げ(JBRC)、Q&Aでは「機器からバッテリーの取り外しが出来ないものは回収対象外になります。現在、機器ごと回収できるものはモバイルバッテリーのみです」としています(JBRC よくあるご質問)。回収対象外のものは「自治体またはメーカーにご相談ください」という案内です。

膨らんだときの動き方はモバイルバッテリーが膨らんだら【今すぐやること3つ】に、処分先の探し方はモバイルバッテリーの正しい捨て方にまとめています。なお電池工業会は、リチウムイオン電池を使う製品の例として「ノートパソコン、タブレット、スマートフォン、電動工具、電動アシスト自転車、モバイルバッテリー、モバイルファン」を挙げています。手持ち扇風機も、はっきり対象です。

私の2台のスペック(しまう前に確認したところ)

CIO Handy FanFrancfranc フレ ハンディファン(2026年モデル)
価格9,980円(税込・メーカー希望小売価格)2,680円(税込)
電池容量3400mAh 3.6V 12.24Whリチウムイオン蓄電池(容量の記載なし)
充電時間約99分約4時間
連続使用時間最大 約6.5時間(風量:弱)約2時間〜約9時間
くり返し使用の目安約500回約300回
重さ約275g(台座 約125g)記載なし
バッテリーの取り外しできる(ファン脱着ボタン)記載なし
出典:CIO Handy Fan 取扱説明書・CIO公式/Francfranc 公式商品ページ。2026年9月20日確認
CIO Handy Fanの背面スペックラベル。型番CIO-HAFAS-MB15W1C-3Kと入力仕様の刻印
型番は CIO-HAFAS-MB15W1C-3K。取扱説明書の仕様と同じ数字が本体にも入っています。

CIOの「約500回」には注記があって、「メーカーが想定する、初期容量の約70%以上を維持できる充放電回数の目安です」とのこと。回数の上限ではなく、性能が保てる目安という意味です。

⚠️ 私が持っているフレは2022年6月に買ったミントで、表の数字は現行の2026年モデルのものです。現行モデルの取扱説明書には「【設計上の標準使用期間】3 年」「設計上の標準使用期間を超えて使用されますと、経年劣化による発火・けが等の事故に至るおそれがあります」とあります。私の1台は買ってから4年目に入っているので、この記述は自分にも向けられたものとして読みました。

Francfrancは修理を受け付けていない点も、公式ヘルプに明記されています。「有償無償、保証書の有無を問わず、あいにく修理の対応は承っておりません」。保証期間は6ヶ月(一部機種1年)です。

これから買うなら、ブランドごとの違いはハンディファンおすすめブランド4社比較にまとめてあります。

しまったら、入れ替わりで出てくるもの

扇風機を箱に戻す日は、だいたい別の道具を出す日でもあります。私の場合はCIOのWEARHACK2——普段着に取り付けて使う電熱ウェアです。

ひとつ注意があって、CIOは公式にCIO製のモバイルバッテリーを使うよう案内しています。手持ちのバッテリーをそのまま挿していいわけではありません。この話は電熱ベストに手持ちのモバイルバッテリーは使える?で詳しく書きました。

まとめ:しまう前の10分が、来年の夏を決める

やることは多くありません。電源を切る。外せるなら電池を外す。暖房の当たらない、湿気の少ないところへ。空のまま置かない。膨らんでいたら、しまわずに自治体へ。

そして数字は作らない。「50〜70%」も「3ヶ月に一度」も、調べた範囲の公的資料には書かれていませんでした。分からないことを分からないまま置いておくほうが、来年の夏にちゃんと回ってくれる気がしています。

ハンディファンは充電してからしまう? 空にしてからしまう?

Francfrancの公式ヘルプは「電池が空の状態で長期間放置すると、電池の寿命を縮めるため、保管中も定期的な充電を行って下さい」としています。「なるべく使い切って放電する」は電池工業会が示す“捨てるとき”の手順で、しまうときの手順ではありません。ただし、残量を何%にすべきかの数値は、公的な資料には見つかりませんでした。

冬はどこにしまえばいいですか?

CIOの取扱説明書は「直射日光の当たる場所、暖房器具の近くや車中など、高温になる場所での使用、放置、保管は避けてください」、Francfrancの取扱説明書も保管を避ける場所の1番目に「ストーブなどの暖房機器や火気の近く」を挙げています。電池工業会は「湿気の少ないところ」とも書いています。温度・湿度の数値は示されていません。

ほこりはアルコールで拭いてもいいですか?

製品によって正反対です。CIOは公式ページで「冷却プレートは塗装したアルミプレートのため、アルコールスプレーや布で拭いていただけます」としていますが、これは冷却プレートについての記述です。Francfrancの取扱説明書は「ベンジンやシンナー、アルコールなどの揮発性有機溶剤が含まれているものは使用しないでください」「水洗いは絶対にしないでください」としています。手元の1台の取扱説明書を確認してください。

膨らんだハンディファンはどこに出せばいいですか?

電池工業会は「特に危険な状態です。無理に触らず、自治体の指示に従ってください。そのまま保管したり、一般ごみに出すのはやめましょう」としています。JBRCは「破損、水濡れや膨張等の異常のある電池」を回収対象外とし、「機器からバッテリーの取り外しが出来ないものは回収対象外」「機器ごと回収できるものはモバイルバッテリーのみ」とも案内しています。回収対象外のものは自治体またはメーカーへ相談する流れです。

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