モバイルバッテリーが膨らんだら【今すぐやること3つ】保管・回収・捨て方まで【2026】

モバイルバッテリーがぷっくり膨らんでいるのに気づいた——まず、この記事を上から順にやってください。膨らんだバッテリーは「まだ使えるか」ではなく「どう安全に手放すか」のフェーズです。
実はいま、いちばん事故が多い時期です。NITE(製品評価技術基盤機構)が2026年7月15日に公表した資料によると、2021年から2025年の5年間でリチウムイオン電池搭載製品の事故は2,140件。製品別ではモバイルバッテリーが最も多く、事故件数は気温の上昇とともに増えて8月にピークを迎えます。膨らみに気づいたのが夏なら、なおさら後回しにしないでください。
🐱「焦らなくて大丈夫。でも”あとで”にしないで。今日中に最初の3つだけやりましょう。」
今すぐやること3つ(この順で)
- ① 使用と充電を今すぐやめる——膨らみは内部でガスが発生しているサイン。充電を続けるのが一番危険です
- ② 電源を切って、ケーブルを抜く——接続したまま放置しない
- ③ 燃えやすい物から離して置く——紙・布・カーテンのそば、ソファやベッドの上はNG。金属トレーや陶器の皿など燃えない台の上が安心です
絶対にやってはいけないこと
- 押してへこまそうとする・穴を開ける——内部のガスに引火する恐れ。膨らみは戻りません
- 普通ゴミ・プラゴミに捨てる——収集車や処理施設の火災原因として社会問題になっています
- 高温の場所に置く——夏の車内・直射日光の窓際は厳禁(真夏の車内は70℃近くになることがあります)
- 冷蔵庫で冷やす——結露で状態が悪化する恐れ。温度は「常温・日陰」が正解です
処分までの一時保管のしかた
回収に出すまで数日かかることもあります。その間は——
- 金属バット・土鍋・空き缶など不燃の容器に入れる
- 可燃物のない、風通しのいい日陰に置く
- 小さなお子さん・ペットの手が届かない場所に
捨て方|「自治体の案内」が最優先
ここが一番大事なポイントです。そして先に知っておいてほしい事実がひとつあります。
■ 膨らんだバッテリーは、店頭の回収ボックスに入れられません
家電量販店などに置かれている小型充電式電池のリサイクルボックス。運営しているのは一般社団法人JBRCです。その公式サイトには、回収対象かどうかは次の条件をすべて満たすかで判断してほしい、として3つが挙げられています。
- JBRC会員企業製であること(会員企業外品やメーカー不明品は回収対象外)
- 電池種類(ニカド電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池)が明確であること
- 破損、水濡れや膨張等の異常のある電池や、外装なしのラミネートタイプの電池ではないこと
3つめが決定的です。膨らんでいる時点で、JBRCの回収ルートからは外れます。「とりあえず量販店のボックスに入れておけば安心」——これ、膨張品には当てはまりません。黙って入れてしまうと、回収・運搬・処理のどこかに発火リスクを持ち込むことになります。
■ では、どこへ持っていくのか
- ① メーカーのサポート窓口——まずここ。製造元が回収や処分方法を案内してくれる場合があります。型番と購入時期を手元に用意してから連絡を
- ② お住まいの自治体——「モバイルバッテリー 処分 +市区町村名」で検索。危険ごみ・有害ごみ区分での回収や、窓口への持ち込みを案内している自治体があります。ルールは自治体ごとに本当にバラバラなので、必ず公式の案内で確認してください
- ③ 購入した店舗——独自に引き取りをしている店もあります。ただし膨張品は断られることがあるので、持ち込む前に電話を
共通して大事なのは先に電話で聞くこと。膨らんだ電池を袋に入れて店まで運んだのに「これは受け取れません」と言われる——これが一番つらい展開です。往復の道中もリスクを持ち歩くことになります。
持ち運ぶときは端子部分を絶縁テープでふさぐのが基本です。JBRCも「金属端子部は絶縁テープで絶縁してください」と案内しています。ショートを防ぐためで、これは通常品でも同じです。
膨張していない通常品の捨て方・リサイクルの全体像はモバイルバッテリーの捨て方完全ガイドにまとめています。
そもそも、なぜ膨らむのか
リチウムイオン電池は、劣化や高温・過充電のストレスで内部にガスが発生することがあります。膨らみ=電池が「もう引退させて」と言っているサイン。品質の問題だけでなく、使い方(真夏の車内放置・充電しっぱなしの高温環境)でも起こります。予防の観点はスマホと熱の対策ガイドも参考に。
次の1台のために|公的機関が示す「3つのC」
膨張は運が悪かっただけ、とは限りません。リチウムイオン電池の火災が増えていることを受けて、経済産業省や環境省などの関係省庁が連携し、「3つのC」という呼びかけを行っています。NITEもこれを紹介しています。次の1台を長く安全に使うための、公的な指針です。
- 賢く選ぶ(Cool Choice)——購入前に、販売事業者の連絡先や製品情報、リコール情報を確認する。表示マークが適切か確認する
- 丁寧に使う(Careful use)——高温となる場所では使用・保管しない。強い衝撃や圧力を加えない。異常を感じた場合は使用を中止する
- 正しく捨てる、そして資源循環(Correct disposal with better recycling)——家電製品を廃棄する際はリチウムイオン電池の使用の有無を確認する。メーカー回収や自治体の回収区分等の廃棄方法を確認する
私がいちばん効くと思っているのは、「賢く選ぶ」の中の“連絡先を確認する”です。地味ですが、膨らんだときに問い合わせ先が分かるかどうかで、その後の手間がまるで変わります。安さだけで選んだ無名品は、いざというとき回収ルートごと消えていることがある。JBRCの条件にある「メーカー不明品は回収対象外」は、そういう意味でもあります。
出典:NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)「『夏バテ(夏のバッテリー)』にご注意を~「リチウムイオン電池搭載製品」は3つのCで事故を防ぎましょう!~」(令和8年7月15日)/一般社団法人JBRC「不要電池の出し方(回収対象/対象外説明)」。本記事は2026年8月22日に両公式サイトを直接確認して更新しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 少しの膨らみなら使い続けていい?
いいえ。膨らみの程度に関わらず使用中止が原則です。「まだ充電できるから大丈夫」は危険な誤解です。
Q. 膨らんだバッテリーは飛行機に持ち込める?
持ち込めません。破損・膨張したバッテリーは保安検査で没収対象です。正常品のルールも飛行機の新ルール早見表で確認を。
Q. 放置したら爆発しますか?
直ちに爆発するわけではありませんが、高温や衝撃が加わると発火リスクが上がります。だからこそ「今日中に安全な場所へ・早めに回収へ」です。
Q. 買い替えは何を基準に選べばいい?
PSEマークは大前提として、信頼できるメーカーと、熱に強い設計(近年は半固体電池など発熱を抑える方式も登場しています)を。選び方はモバイルバッテリーの選び方ガイドで詳しく解説しています。
膨らんだ1台は使わず処分を。代わりの1台は、安全性を明記した製品から選んでください。
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