5000mAhと10000mAhの違いは?私の5000mAhのラベルには「3000mAh」とも書いてありました

私の手元にある、CIOのSMARTCOBY SLIMⅡ Wireless 2.0 SS5K。5000mAhのモバイルバッテリーです。
本体のラベルを見ると、容量の表記が2つありました。「Capacity:5000mAh/3.92V/19.6Wh」と、「Rated Capacity:3000mAh (5V⎓2A)」。

5000mAhなのに、3000mAh。どちらが本当なのか。そして、5000mAhと10000mAhでは何が違うのか。経済産業省とメーカーの公式の説明で確かめました。
先に結論
- ラベルの「定格容量」は、経済産業省の説明ではモバイルバッテリーとして5時間にわたり供給できる電気容量。内蔵する電池の容量とは一致しません
- 表示の電圧は5V(USBで出す側)。電池側の容量を並べて書くことは、経産省が「まぎらわしい表示とは見なさない」としています
- mAhは電圧が同じでないと比べられません。私の8Kはラベルの「4000mAh」がSS5Kの「5000mAh」より小さいのに、Whでは多い
- 「10000mAhならスマホ2回」は前提しだい。メーカーの回数表示には「1回未満」などの注記がついています
- 同じメーカーの5000mAhと10000mAhの差は、公式の重さで47〜85g(当サイトで計算)
- 飛行機はWhで見ます。5000・10000mAhクラスは公式表示で18.5〜39.2Wh。ただし2個まで・機内で充電しない
ラベルに容量が2つ書いてある理由:経済産業省の説明
答えは、経済産業省の「モバイルバッテリーに関するFAQ」(最終更新日 2026年8月7日)にありました。
「A.24 J62133-2(2021)に基づく定格容量とは、モバイルバッテリーとして5時間にわたり供給できる電気容量のこと(JIS C 8711(2019) の3.5項参照)。なお、この定格容量は、内蔵する電池の容量と一致するものではない。」(経済産業省 モバイルバッテリーに関するFAQ)
表示する電圧についても書いてあります。「A.23 J62368-1(2023)、J62133-2(2021)いずれに基づく場合であっても、表示すべき電圧は5V」
そして、電池側の容量をあわせて書くことについては「A.25 ご質問の表示を追記しても、まぎらわしい表示とは見なさない。」。
つまりラベルの2つは、こういう分担です。
| ラベルの表記 | 何の数字か | 私のSS5K |
|---|---|---|
| Capacity(容量) | 中に入っている電池の側の容量(電池の電圧で表す) | 「Capacity:5000mAh/3.92V/19.6Wh」 |
| Rated Capacity(定格容量) | USBで外に出す5Vの側の容量 | 「Rated Capacity:3000mAh (5V⎓2A)」 |
⚠️ 経産省の「5時間にわたり供給できる」は、J62133-2という規格で作る場合の説明です。すべてのモバイルバッテリーに定格容量が書いてあるわけではありません。ラベルや取扱説明書に書いていない機種もあります。
5000mAhが3000mAhになる理由
CIOは、私のSS5Kと同じ5000mAhクラスの「SMARTCOBY SLIM 5K」の商品ページで、理由を書いています(私のSS5Kとは別の機種です)。
「※本製品の公称容量は 5000mAh (3.85V, 19.25Wh) です。」「しかし、モバイルバッテリーは他の端末に充電する際にエネルギーロスが発生するため、実質容量は 3000mAh(5V/2A) となり、公称容量の約 60% となります。」(CIO SMARTCOBY SLIM 5K 商品ページ)
Ankerも同じことを別の言葉で書いています。「しかし、USB端子からは5Vで出力する必要があるため、内部の回路で3.7Vから5Vへ電圧を変換し、モバイル機器へ給電しています。」「その過程において変換ロスが起きるためモバイルバッテリーに表記されている容量よりも実際に充電できる容量は少なくなります。」(Anker公式マガジン)
「約6割」は、エネルギーが6割しか出ないという意味ではない
ここは誤解しやすいので、私のSS5Kの数字で分けてみます(当サイトの計算です)。
- ① 電池の19.6Whを、電圧だけ5Vに直すと 3,920mAh(19.6Wh ÷ 5V)。ここまではロスなしの換算
- ② そこから、公式の定格容量の 3,000mAh までが、変換などで実際に目減りする分
5000→3000の差は、電圧の違いと変換などで減る分の2段になっています。エネルギー(Wh)どうしで比べると、定格容量の3000mAh×5V=15Whは、電池の19.6Whの約77%です。
📌 この2段の分け方は、公式の数字から当サイトが計算したものです。メーカーが「◯%は電圧の違い、◯%はロス」と説明しているわけではありません。
mAhは電圧が同じでないと比べられない。私の2台がそのまま例になる
もう1台の8Kのラベルも見てください。
| SS5K(5000mAhモデル) | 8K(8000mAhモデル) | |
|---|---|---|
| ラベルの容量 | 「Capacity:5000mAh/3.92V/19.6Wh」 | 「Capacity: 4000mAh/7.52V/30.08Wh」 |
| ラベルの定格容量(5V) | 「Rated Capacity:3000mAh (5V⎓2A)」 | 「Rated Capacity: 4800mAh(5V⎓3A)」 |
| 公式の重さ・厚み | 約121g・8.7mm | 約162g・12mm |
8Kのラベルの容量は4000mAh。5000mAhのSS5Kより小さく見えます。でもWhは30.08Whで、SS5Kの19.6Whより多い。定格容量(5V)も3000mAh→4800mAhです。
理由は電圧です。8Kの公式仕様は「バッテリー容量 4000mAh / 7.52V / 30.08Wh」、「バッテリーセル 4000mAh × 2pcs(Total 8000mAh)」(CIO公式)。4000mAhのセルが2つで、表示の電圧は7.52V。SS5Kの3.92Vの約2倍です。電圧が高い書き方をすると、同じエネルギーでもmAhの数字は小さくなります。
Ankerの10000mAhモデルも同じです。取扱説明書に「セル容量 10,000 mAh」と「バッテリー容量 5,000mAh、7.2VDC / 36Wh(2セル直列)」が並んでいます(Anker A1664 取扱説明書)。
📌 なので、mAhは電圧が同じときにしか比べられません。比べるなら、ラベルのWhか、5Vで書かれた定格容量どうしです(この言い方は当サイトの説明で、上の公式表示が根拠です)。
Whの計算式は、国土交通省のリーフレットにあります。「ワット時定格量 (Wh)=定格容量 (mAh)×定格電圧 (V)÷1,000」(国交省リーフレット)。この式の例は電池側の3.7Vで計算されています。
「10000mAhならスマホ2回」は、前提しだい
メーカーが出している回数を並べます。どれも公式の表示ですが、前提がそろっていません。
| 製品 | 公式の回数表示 | 前提・注記 |
|---|---|---|
| Anker A1665(5000mAh) | 「Qi2対応でスマホ約1回分充電可能」 | iPhone 16・15・14・13シリーズの多くは「1回未満」とAnkerが注記 |
| Anker A1664(10000mAh) | 「10000mAhの大容量でスマホ約2回充電可能」 | iPhone 15・14シリーズなどは「2回未満」と注記 |
| CIO(ワイヤレス充電の目安) | 「目安として5,000mAhで約0.6回分、8,000mAhで約1回分、10,000mAhで約1.2回分です。」 | 機種の記載なし |
| エレコム DE-C83(5000mAh) | 3000mAhのスマホを約0.9回 | 電源オフのスマホを充電したときの目安 |
| エレコム DE-C84(10000mAh) | 3000mAhのスマホを約1.9回 | 同上 |
同じメーカーの中でも揺れます。CIOは私のSS5Kを「スマートフォン1台を1回充電できれば十分という方におすすめの製品です。」と紹介する一方、ワイヤレスの目安では5000mAhを約0.6回としています。
ワイヤレスで減ることは、CIOが書いています。「また、ワイヤレス充電時には電磁誘導の過程でエネルギーロスが発生します。ワイヤレス充電を利用する際は、実質的な充電量が低下することをご了承ください。」同じシリーズのSS5K(Wireless2.2)では「iPhone 17 Proを有線で約0.8回、ワイヤレスで約0.72回、Pixel 10 Pro Foldを有線で約0.68回、ワイヤレスで約0.6回充電可能。」(CIO公式)
iPhoneは何mAh?Appleは公表していない
自分のスマホが何mAhか分かれば計算できそうですが、AppleはiPhoneのバッテリー容量(mAh)を公表していません。仕様ページにあるのは「ビデオ再生最大◯時間」のような使用時間です。
Googleは公表しています。たとえばPixel 11は「標準 4,985 mAh(最小 4,840 mAh)」(Googleストア)。ただしスマホ側のmAhも電池の電圧での数字なので、モバイルバッテリーの定格容量(5V)で割っても、そのまま回数にはなりません。
📌 回数の数字を見るときは、どの機種で、有線かワイヤレスかを一緒に確認してください。前提のない「◯回」は比べられません。
重さと厚み:5000→10000でどれだけ増えるか
同じメーカーの5000mAhと10000mAhを、公式の仕様で並べました。
| 組み合わせ | 5000mAh | 10000mAh | 重さの差 |
|---|---|---|---|
| Anker A1665/A1664 | 約122g・8.6mm | 約207g・15mm | +85g |
| CIO SLIMⅡ Wireless2.2 SS5K/SS10K | 約153g・11.6mm | 約200g・14mm | +47g |
| エレコム DE-C83/DE-C84 | 約120g・9.2mm | 約195g・15.2mm | +75g |
| 無印良品 MJ-MS51/MJ-MS11 | 約170g・17mm | 約240g・23mm | +70g |
表の4組で、47〜85g増えます。CIOは私の8Kを「5000mAhでは不安、10000mAhでは重くて大きいという方に最適な容量です。」と紹介しています。私が外にいちばん持ち出しているのが、この8Kです。
CIOの容量の目安も載せておきます。「毎日こまめに継ぎ足し充電するなら5,000mAh前後、1回分しっかり充電したい・長時間の外出があるなら10,000mAh前後、旅行・出張が多い・防災用なら20,000mAh前後が目安です。迷ったら10,000mAhが選びやすい定番容量です。」(CIOモバイルバッテリー大全)
飛行機はWhで見る
飛行機のルールはmAhではなくWhです。国土交通省は2026年4月24日から、こう定めています。
- 「・ 機内持込みのモバイルバッテリーは2個(160Wh以下に限る)まで」
- 「・ 機内においてモバイルバッテリーへの充電をしないこと」
- 「・ 機内においてモバイルバッテリーから他の電子機器への充電をしないこと」
5000mAh・10000mAhクラスの公式のWh表示は、私のSS5Kが19.6Wh、8Kが30.08Wh、Anker A1664が36Wh、CIO SS10Kが39.2Wh。どれも160Whを大きく下回ります。ただし個数は2個まで、機内では充電もしません(国交省の発表)。
⚠️ Whを定格容量×5Vで計算しないでください。私のSS5Kなら3000mAh×5V=15Whになり、ラベルの19.6Whと合いません。ラベルにWhが書いてあれば、その数字を見るのが確実です。ルールの詳しい中身は飛行機のモバイルバッテリー新ルールに書きました。
まとめ:ラベルの「5V」の数字と、Whを見る
- 定格容量は5V側の数字。電池の容量(mAh)とは一致しない(経済産業省)
- mAhは電圧が違うと比べられない。比べるならWhか5Vの定格容量
- 回数の表示は、機種と有線・ワイヤレスの前提とセットで読む
- 5000→10000で、公式の重さは47〜85g増える
- 飛行機はWh。2個まで、機内で充電しない
無印良品の取扱説明書は、電池側(3.7V・Wh)と5V側(定格電圧5V・定格容量)を同じ表で書き分けていて、いちばん読みやすい見本でした。無印の2機種の比べ方は無印良品のQi2モバイルバッテリーの記事に、寿命の目安は「500回で寿命」は本当?に、寒さでの扱いは冬のモバイルバッテリーにまとめています。
CIO SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.2 SS10K(10000mAh・定格容量6000mAh)
CIO SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless 2.0 8K(私が外にいちばん持ち出している1台・定格容量4800mAh)
CIO SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless 2.0 SS5K(5000mAh・定格容量3000mAh)
※この記事は2026年9月30日に確認した経済産業省・国土交通省・各メーカー公式の記載と、私の手元の実物のラベルにもとづいています。
中に入っている電池の量です。同じメーカーの組み合わせで比べると、公式の重さは10000mAhのほうが47〜85g重くなりました(2026年9月30日時点の公式仕様から当サイトで計算)。何回充電できるかは、スマホの機種や有線・ワイヤレスで変わり、メーカーの表示にも前提がついています。
経済産業省のFAQは、J62133-2に基づく定格容量を「モバイルバッテリーとして5時間にわたり供給できる電気容量」と説明し、「この定格容量は、内蔵する電池の容量と一致するものではない」としています。表示する電圧は5Vです。
AppleがiPhoneのバッテリー容量(mAh)を公表していないため、計算では出せません。メーカーの目安では、CIOのSMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.2 SS5KがiPhone 17 Proを有線で約0.8回・ワイヤレスで約0.72回、AnkerのA1665は多くのiPhoneで「1回未満」と注記しています。
電圧が違うと比べられません。たとえばCIOのSMARTCOBY SLIMⅡ Wireless 2.0 8Kはラベルの容量が4000mAh(7.52V)で、5000mAh(3.92V)のSS5Kより小さく見えますが、Whは30.08Whと19.6Whで8Kのほうが多く、5Vの定格容量も4800mAhと3000mAhです。
国土交通省のルールでは、機内に持ち込めるモバイルバッテリーは2個(160Wh以下に限る)までです。10000mAhクラスの公式のWh表示は36〜39.2Wh程度でした。機内ではモバイルバッテリーへの充電も、モバイルバッテリーから他の電子機器への充電もしないよう求められています。