「Qi2.2の25Wワイヤレス」という、新しい棚(カテゴリ)が静かに立ち上がってきました。
私はモバイルバッテリーを2016年から使い続けて約10年。Ankerに至っては同じく10年来のユーザーで、CIOも2022年から4年。20000mAhの分厚い時代から、薄型ワイヤレスの今まで、ひととおり手に取ってきました。
その私から見ても、2026年5月の動きはちょっと面白い。
王者であるCIOとAnkerに、京都発の新興ブランドMATECH(マテック)が真正面から殴り込んできた——そんな構図なんです。
「Qi2.2って何が変わったの?」
「結局どれを選べばいいの?」
こんなことに迷っていませんか?
- Qi2.2・25W対応の薄型ワイヤレスがどれも似て見える
- 容量・厚み・重さ・価格のどこで選び分ければいいか分からない
- 定番のCIO/Ankerと、新顔のMATECHって何が違うの?
こんな方のために、3社を横並びで整理しました。
最後まで読めば、あなたに合う1台を3分で選べるようになりますよ。
そもそも「Qi2.2の25W」って何がすごいの?
ざっくり言うと、マグネットでピタッと貼り付けるワイヤレス充電が、ぐっと速くなった世代です。
従来のQi2は最大15W。
新しいQi2.2では、最大25Wまで引き上げられました。
数字だけ見ると地味かもしれません。
でも、ワイヤレス充電は「ケーブルを挿す手間がない代わりに遅い」のが長年の弱点でした。そこが25Wまで来たわけです。
15W → 25Wは、約1.6倍。
「貼ったまま机に置いておく」短い時間でも、回復量が体感で変わってくる領域です。
ただし、25Wを出すには本体側の設計に無理が出やすく、厚み・重量・価格にしわ寄せが来やすいのも事実。ここが各社の腕の見せどころなんですね。
つまり、このカテゴリの選び方は
「25Wの速さ」と「薄さ・軽さ・容量・価格」のバランスをどう取るか。
では、3社を並べます。
CIO × MATECH × Anker:3社スペック比較表
まずは全体像から。数字は各社の公称・公開情報をもとに整理しています(2026年5月時点)。
| 項目 | CIO SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.2 SS5K | MATECH MagOn PowerMax 10000 | Anker MagGo Power Bank(10000mAh) |
|---|---|---|---|
| ワイヤレス規格 | Qi2.2 | Qi2.2 | Qi2(※25W版パワーバンクは未発売) |
| ワイヤレス出力 | 最大25W | 最大25W | 最大15W |
| 容量 | 5,000mAh | 10,000mAh | 10,000mAh |
| 有線出力(USB-C) | ―(公称未確認) | 出力最大45W PD(入力30W) | 30W前後(※公称未確認) |
| 厚み | 11.6mm | 15.9mm | 公称未確認 |
| 重量 | 153g | 約197g | 公称未確認 |
| ディスプレイ | 4段階LED | 残量1%単位の小型ディスプレイ | スマートディスプレイ |
| 価格(税込) | 7,280円 | 7,990円 | 9,990円 |
| 立ち位置 | 薄型・軽量で25W | 大容量+45W有線も両取り | 定番の安心感(出力は15W) |
MATECHのスペック(重量 約197g・価格7,990円・有線45W PD など)は、マクリンの実機レビューで裏取りが取れた確定値です。
一方、Ankerの厚み/重量など「公称未確認」と書いた項目は、現時点で一次情報を確定できていない数値です。裏取りが取れ次第アップデートします。捏造はしません——ここはメディアの信頼に関わる部分なので、正直に明記しておきます。
王者CIO:薄さと25Wを両立させた「持ち歩き前提」の1台
私自身、CIOのSMARTCOBYシリーズは無印・PLUG・SLIMと世代違いで使い続けてきました。
その流れの最新が、このSS5Kです。
スペックの軸は明快。
5,000mAhと容量を抑えてでも、厚み11.6mm・重さ153gという薄型軽量を死守した上で、Qi2.2の25Wを乗せてきました。
面白いのが内部構造。
従来の5000mAh×1枚セルでは、安全上25Wを出し切れなかったそうです。
そこで2500mAhの高密度セルを2枚直列に。結果、厚みと重さは少し増えました。
つまりSS5Kは「全部入り」ではなく、薄さ・軽さを最優先しつつ速度も諦めないという、はっきりした思想の製品なんですね。
SS5Kそのものをもっと深く知りたい方は、単体レビューもどうぞ。
▶ CIO SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.2 SS5K レビュー|Qi2.2 25W対応・5000mAh薄型クラスのスペック志向モデル
新興MATECH:京都発の挑戦者は「容量も有線も欲張る」
ここからが今回の主役のひとり。京都の新興ブランド、MATECHです。
2016年設立の充電器メーカーで、2026年5月に新製品を立て続けに発表。
そのなかで、CIO SS5Kと真っ向勝負になるのがMagOn PowerMax 10000です。
- Qi2.2・最大25Wワイヤレス
- 容量10,000mAh(CIO SS5Kの2倍)
- 有線USB-Cは入力30W/出力最大45W PD(ノートパソコン領域にも届く)
- 厚み15.9mm
- 重量 約197g
- 残量を1%単位で見られる小型ディスプレイ搭載
戦い方が、CIOとまるで逆なんです。
CIOが「薄さ・軽さを守る」方向なら、MATECHは容量10,000mAhも、45Wの有線出力も、ぜんぶ欲しいという欲張り型。
その代わり厚み15.9mm・約197gと、サイズと重さは増えています。
私はこのMATECH製品を所有していません。
なので、ここに書いたのはあくまで公開スペックと客観的な比較です。「使ってみたら」という体験談は書けません。
実機で語れるのはCIOとAnkerだけ——そこは正直にしておきます。
Anker:10年使ってきた私が言う「定番の安心」と、ひとつの正直な注意点
さて、Anker。
私は2016年から10年、Ankerを使い続けてきた人間です。最初に買ったのは24Wの2ポート充電器でした。ワイヤレス充電器も、電源タップも、ずっとAnker。
その立場で、今回は正直に書きます。
Ankerは「Qi2 25W」対応製品をすでに出しています。
ただし2026年5月時点で、その25W対応は3-in-1の充電ステーションやカーチャージャーなど「据え置き型の充電器」が中心。
持ち歩くパワーバンク(モバイルバッテリー)側は、まだQi2の15Wが主力なんです。
だから今回のパワーバンク比較では、Ankerは「15W」の枠で並べています。
つまり「Qi2.2の25Wを、持ち歩けるモバイルバッテリーの形で」という今回のテーマでは、
先行したのはCIOとMATECHのほう、ということになります。
とはいえ、AnkerのMagGo Power Bank(10,000mAh・9,990円)が魅力的でないわけではありません。
10年使ってきて感じるのは、入手性・サポート・周辺アクセサリの揃いやすさという「エコシステムの安心感」。これはやっぱり強い。
結局どれ?タイプ別の選び方
3社の性格が見えてきたところで、選び方を3つに整理します。
❶ 薄さ・軽さ最優先で25Wも欲しい → CIO SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.2 SS5K(11.6mm・153g)
❷ 容量も有線45Wも欲張りたい → MATECH MagOn PowerMax 10000(10,000mAh・45W有線)
❸ 速さより安心・入手性で選びたい → Anker MagGo Power Bank(定番・10,000mAh)
選ぶ前のチェックリストも置いておきます。
- 持ち歩きで「薄さ・軽さ」をどこまで重視する?
- 1回ちょい足し(5,000mAh)か、1日安心(10,000mAh)か
- スマホだけか、ノートパソコンも有線で充電したいか
- 速さ(25W)と価格、どちらを優先する?
- ブランドの安心感・入手性を重視するか
まとめ:王者2強に、新興MATECHが刺した一石
「Qi2.2の25Wワイヤレス薄型」という新カテゴリ。
その口火を、持ち歩ける形で切ったのはCIOとMATECHでした。
- CIO:薄さ・軽さを守りきって25W。持ち歩き前提の優等生
- MATECH:容量も有線45Wも欲張る、京都発の挑戦者
- Anker:パワーバンクはまだ15Wだが、定番の安心は健在
Ankerを10年、CIOを4年使ってきた身として言えば——
選択肢が増えるのは、純粋にうれしい。新興ブランドが本気で殴り込んでくる市場は、ユーザーにとって良い市場です。
